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【radio情报】Real Sound

KinKi Kids 堂本剛、痛みの中で共に笑えるムロツヨシへの想い 『漢字とカタカナ。』OAに寄せて

2018.10.12

KinKi Kids 堂本剛とムロツヨシによるラジオ特番『剛とツヨシ 漢字とカタカナ。』(文化放送)が、10月13日夜7時からオンエアされる。テレビドラマ『33分探偵』(フジテレビ系)や『天魔さんがゆく』(TBS系)、映画『銀魂』シリーズなど、これまでも福田雄一監督作品で共演を重ねてきたふたり。プライベートでも親交が深く、その相思相愛っぷりは、何度となくお互いの口から語られてきた。


 ムロツヨシが『TOKIOカケル』(フジテレビ系)へ出演した際には、「堂本剛くんは口説けたかもしれない。1回くらいは抱けたかもしれない」と豪語し、TOKIOを驚かせる一幕も。その様子を、ラジオ『KinKi Kidsどんなもんヤ!』(文化放送)でリスナーが堂本剛に伝えると、「まあ、でも俺も逆に言えば、抱けたかもしれないよね」と、まんざらでもないリアクションで笑いを誘う。ふたりとも“つよし“という名前であることから、「漢字(の剛)」「カタカナ(のツヨシ)」と呼び合う仲であると明かし、「ゲストに来てもらってもいいけどね」と話していたことから実現したのが、今回の特番だ。


 「彼はもう、とても優しい人です」。堂本剛が昨年6月に突発性難聴で入院したときも、ムロツヨシは「親身になって色々してくれた」という。入院中にアレルギー検査を受けたところ、意外にもエビの数値が高かったのだと伝えたところ、ムロツヨシも人間ドッグでそんなに食べないインゲンマメだけなぜか唯一高い数値が出たのだと、堂本を笑わせてくれたそうだ。


 逆に、ムロツヨシが喉の手術をしたときには、堂本剛が「ひとりじゃ心細いかなと思って」と、執刀医のていで連絡を入れる。「必ず成功させます」とコメントし、手術が終わったころを見計らって電話も。当然、喉の手術直後は声を出すことができないため、ムロツヨシは電話に出ないと思っていたのだが、「出たんですよ、あの人!」と笑う堂本剛。「どうですか、喉の調子は」と執刀医のフリを続け、ムロツヨシもどうにかコミュニケーションを取ろうと、スマホをカタカタと叩いて奮闘してみせたという。


 その後「電波悪いみたいですね」と切っては掛け直し、「もしもし?」&「……カタカタ」を、3回ほど繰り返して遊んだふたり。たまらずムロツヨシが“俺、今しゃべれないのわかってるよね?“とメールすると、堂本剛は“ごめんごめん、また連絡します“と返信。だが、懲りずに翌日さっそく電話をかけ、ムロツヨシも「ふん」「ふふん」と鼻に抜ける音で返事をして、ラブコールに応えたという。


 また、堂本が大阪で地震に遭ったときにも、“あれ? 大阪にいるんじゃない?”と、心配してメールをするマメなムロツヨシ。“ものすごく揺れたんですけど、ひとまず今、僕自身は大丈夫です”と返信をしたところ、「ほお紅を塗った、すっごいブサイクな写真送ってくれて(笑)」と、ほのぼのエピソードも披露していた。さらには、オムレツを「すごく疲れてたらムロツヨシぐらいに見えへん? オムレツって。伝えとこっかな」と、想いは募るばかりのようだ。


 気の合う友とのくだらない話は、何よりの癒やしになる。もしかしたら、堂本剛の企画によって、すぐさま決まったこの特番も、ムロツヨシの癒やしが必要だからなのかもしれない。先日、KinKi Kids恒例の年末年始のドームコンサートの中止が正式に発表された。堂本剛の耳がドームクラスの公演の音圧にはまだ耐えられない、というのがその理由だ。


 10月6日放送の『堂本剛とFashion & Music Book』(bayfm)では、9月に行なわれた奈良・東大寺でのソロライブで、思わず涙が流れて止まらなかったときの想いを赤裸々に語っている堂本剛。「(「街」の)大サビの〈このカラダまだ行けるさ〉って歌詞を読んだときに、いろんな想いが込み上げてきてしまって……自分自身がこの1年間、年の最後に向けていろんな調整というか、体の調整をしてきて、少し良くなったと思ったら、また後退したりっていうのを、ずっと繰り返してるんですよ」。少し早い口調で語る様子に、ふだん言葉にしていないものが溢れているようだった。


「周りはやっぱり求める僕っていうのが、僕の設定しているラインよりも、遥か上なんですよ。いわゆる、こういう病気になる前の僕なんですよ。すごく簡単に言うと」「今までそういう悔しい気持ちとか色んな気持ちがもう毎日のようにあって、周りの人は悪気があって言ってはないけど、傷ついた言葉もいっぱいあって。僕だってそうできたらそうしたいのに、と思うことはいっぱいあった中の積み重ね」。愛してやまない故郷・奈良では、感情が素直に出てきてしまったようだと振り返る。


 見えないものは、なかなか周囲に理解されにくい。テレビに出るとき、ラジオで話すとき、痛い、苦しい、辛い、悲しい……なんて毎回言えるものではない。だからといって、その感情がないことにはならない。アイドルでありながら“人間”を歌に昇華したのが、ソロアーティスト堂本剛の歩みだった。その堂本剛が歌えない悔しさは、想像を絶する。そんな今だからこそ、痛みの中で共に笑えるムロツヨシに会いたかったのだろう。


 福田監督も、ムロツヨシが『2018年エランドール賞』新人賞を受賞した際、スピーチに駆けつけ「人を元気にできる役者さんです」と話した。さらに「ちょっと1カ月くらい前に、僕があまりにも落ち込むことがあって。僕は弱音を吐くのは、ムロくんだけって決めてるんですけど。ムロくんに、“本当に死にたいほど落ち込んでいます“とメールしたら、“雄一さんが死んだら僕も死ななきゃいけないので早めに教えてくださいね“と言ってくれたのが………すごく嬉しくて。そういうことがみんなにできる役者さんだと思っています」と、目をうるませながら話す姿が印象的だった。


 きっと堂本剛とムロツヨシの間にも、そんな想いのやりとりがあったのかもしれない。たとえ、言葉にしていなかったとしても。おそらく10月13日の『剛とツヨシ 漢字とカタカナ。』では、電話越しの鼻息トークくらい、くだらない話が繰り広げられることだろう。その“くだらない”を共有できるムロツヨシ、そしてファンが、堂本剛にとってのもうひとつのホーム。温かな笑い声で、堂本剛の耳が癒やされることを願ってやまない。


(文=佐藤結衣)


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